自宅の近くにボロ―というお店がある。

世田谷区に引っ越しをしてからこのお店に出会い、1杯のみから食事まで楽しませてもらっている。僕にとっての癒しの場所というべきお店。
人にはこうしたお店があるのかないのか、そういうお店になれるのか。なれないのか。
色んな基準があると思う。
僕はこのボローに初めて行ったときに「お店を続けていく自信がなくなった」
店主は40代前半で独立。
小さな2階建ての古民家を改装した作りでシンプルなキッチンとカウンター。テーブル。2階はほぼ通常営業では使用せず、1名から2名でお店を切り盛りしている。
食事は中華だったり肉メインだったり、ニューヨークスタイルだったり。その日で変わる店主の気まぐれメニューが多い。だからこそ、今しかないメニューがあり、行きたくなるというのもある。そして超絶に美味しい。
ナチュラルワインもあるし。焼酎もある。

今でこそ、こうしてすらすらと書けるが、最初に行ったときはなんか気になるから行ってみようという感じだった。
看板もなく、提灯が1つ赤く外にあるくらい。
のれんで中はあまり見えないので入らなければわからない。
そして何よりも電話がない。基本的にDMでの予約のみを受け付けている。
いきなりお店に行くと入れないことも多いかもしれない。
音楽はダイアナロスやアースウィンドファイヤーなど古めの好きなやつ。
僕はこのお店に最初に行って店主の佇まいや料理の味、そして電話がないなどのシステム、音楽など、これほど完成されたお店が最初から作れているということが強烈なインパクトだったし、嫉妬した。
29歳での独立は青々しく、荒く楽しい冒険だった。それは今は出来ない唯一無二だったけど、ボローは違う。最初から緩さと楽しさとおいしさ、そして通いたくなるすべてがある。だから、絶望感というか自分の無能さというか。劣等感がメキメキと自分の過去や今を目まぐるしく体を駆け巡る感じだった。
それは正直今でもある。あの場所で豊かにしてもらえるっていう幸福が僕を正しい方向へ導いてくれるのではないかとさえ思う。
そんな都合よくはないのだが笑
電話がないというのは最近なくはない。店主としては営業に集中したい、最近電話はあまりしないだろうということかもしれない。
やりたくないことを先に決めて、やりたいことに集中できる環境づくり。
まとめるとそうかな。
僕は可能性をたくさんほしくなってしまうのでなかなかそうはなっていない。
15店舗出店して5店舗ある自分。
1店舗目でその大きな壁を乗り越えていくお店。
本当に恥ずかしいなって思いながらも自分らしいというか、それこそ飲食経験少なく出店をしているってことがまさにそこなんだと思う。
ただ、そこが間違いとかじゃなくて、結局自分のお店だから、間違えてもそれがいいと思えば進めばいいし、間違えていたら直せばいい。
その考え方自体が変わっても気にせず、やっぱり変えるーでいいと思う。
そうやってやっていくしか僕の道はない。
ただ、それを奥行きのある佇まいで上質なお店を構える人がいると、こうしてちょっとセンチメンタルになるんだよね。そして僕もそんな空間を作りたい!そう心に誓うんです!
そして何よりもそのお店には気遣いもできるお客様や楽しい仲間たちが集う。譲り合い、語り合う。そしてそこには最高のスタッフもいて。

あのカウンターに座っているだけで心身が整うほどに僕は好きでたまらないのだ。
ココに書いていいものか、わからないから住所とか情報は書かないでおきます。
年齢も違うけど、沢山刺激も愛情ももらえるお店があること。情報化社会ではありますが、自分の信じる道を前に歩くボロースタイル、いつか自分もやろうと思う

