グランメゾンパリを見てきた。
もちろん賛否あるんだろうが、やはり飲食業界にいる人間としては考えさせられる内容ではあるし、感情移入するところが随所にある。
ネタバレになるのでこのブログは映画を見た当日(1/12)に書いてはいるが、ブログ公開するのは少し経ってからにしておこうってことで、今に至る。
やはりこの映画はコロナというものと戦った世界、飲食業界へのリスペクトが込められているのが嬉しい。
コロナで味覚障害になった料理人。バラバラになっていくお店のスタッフ。
各人それぞれの苦悩が切り取られていて、当時の自分が悩んでいたことやどうしていいかわからない時間を思い出していた。
自分もスタッフを目の前にしても、何の選択が良いのか、悪いのか。
周りの全て店や企業が新しいコトをチャレンジしているように見えて焦っていたし、怖かった。取り残されているような気がしていた。
そして各スタッフが何を考え、どうしたいのかも日々変わっていく。今までの概念を否定されて壊れていいくのが、音を立ててわかる。
実際、コロナで入院し、生死を感じた人もいた。
映画自体は、シェフとして邁進・瞑想していくキムタクを支えていくスタッフという構図。
僕自体はその頃、子ども食堂、母子家庭へ無料お弁当配達、テイクアウト、緊急事態宣言出ていないエリアへの研修など当時思いつくものは全部トライ&エラーを繰り返した。
まさに僕も五里霧中の中、邁進なのか無謀なのかは別として、僕が進む道をスタッフが支えながら作りながら、乗り越えていってくれた。
その中に、エリア分散しながらの増店という無謀と、業態分散しながらのブルワリー立ち上げなど、今の主軸となる経営があった。
全てが正しかったわけではなく、失敗を元に成功が残ったということかなと。
3つ星という形ではないけど、僕も今もこれからも明確な目標がもっともっとあるといいのかなって思ったのが、この映画を見て感じた自分への反省かな。
今は会社が良くなること。良い体制になることへ注力している。
でももっとお店が素敵になる目標というか、そういうレールもあっていいかもしれない。ちょっと効率化を求めてしまっている部分もあるから良くないのかな。
グランメゾン・パリでは、色んな国の方が1つの目標に向かっていく姿が美しかった。料理・サービスについて各スタッフが追及してく様。働き方改革なんてそこにはなくて、ただただやりたいことをやっているというメンバー。仕事だけどその前に夢や希望ということ。寝る間も惜しみ探求するサービス。ついていけなくて、退社していったスタッフもいつしか戻ってくるという映画のシーンは、考えさせられたところ。
待遇とかじゃなくて夢や希望を共にしたいという人としての心。
【やりたいこと】だから【やり切る】それがやりたくて独立したはず。
でもいつしかインナーのスタッフを気にして、その本来の姿を見失っていく。難しいところなんだけど、スタッフともっともっとコミュニケーションしていきたいと思った。それをしていると思っているんだけど、まだまだだなって。
キムタクがスタッフへお願いするシーンは泣いた。自分もそういうシーンがこの20年で何度あったか。数えきれない。お店を止めてでもやってきたなーと。
自分が怒っている場合もあったし、僕が謝るときもあった。反省として丸坊主にして謝罪に臨んだこともある。一気に3千万円が損失したこともある。
これからもあるだろう。
手段を選ばず、とにかく【わかってほしい】【助けてほしい】という心の叫び。そして何よりもスタッフを信頼し、愛情を注ぎ、共に戦う。そういう瞬間は嬉しい。
最近はそういうキモチよりも「調整している」ことが多い気がしていて。
悪いことではないのですが、やはりエッジがなくなるし、迷いが生じる。あくまでお客様が楽しい空間を過ごせるようなサービスと料理を考え提供する。
そのシンプルなものへどれだけ突き進めるか。
今できてないなら、また出来るようになればいい。
グランメゾン東京。パリを見ていくとそういう気持ちになるだろう。お皿もそうだし、サービスのアイディアなど、自分たちの人生経験全てを注げるチームになりたいなって強く思いました。
写真は1階ピッツェリアテルツォオケイを出したくらいかな。このころはエッジ効いていたかも笑
顔がそんな気がする。。。今が悪いとは言わないけど、まだまだやれるはずだ!