久々に新橋にずっといると色々と思い出す。
20年前にお店を出してから10年間はほぼ毎日新橋にいないことはなかった。
そもそも、家がない状況でスタートした29歳。
自宅を借りたもの新橋だった。だってずっと働いているから、家が近くないと。
お店が休みの日も店にいた。テレビを見たり色々しながら作業していた。
家にはテレビも電子レンジも冷蔵庫もなかった。
いないから必要がなかったのだ。
10年間新橋に住んでいたから、落ち着く部分もある。
あんなに大都会だけど、自分としては庭のような生活圏内というか。
全く違う店だけどやっぱり場所が一緒であるということが特別。
今日も代理店の先輩が来てくれていた、ピッツェリアテルツォオケイ。
たまたま他の先輩も来てくれて、偶然の出会いも。
そういう出来事も今までは新橋にいなかったからわからなかった。
僕が居なくても来てくれている方たちのことは気づいていなかったから。
意図的にそうしていった経緯もあります。
自分が現場仕事をやりすぎると、スタッフはモチベーションを下げていく。
任されてトラブっていると覚える感覚があるから大事。
こうして新橋に戻ってくると、スタッフのモチベーションが気になる。
自分が現場に立つお店が出来ると、どっかで自分との関係が深い人が来てくれたりするし、自分の奥行というか歴史をスタッフに感じてもらえる。
そのあたりはなかなか伝えられない部分だから新規のスタッフ2名にはじんわり伝わると嬉しい。
仕事が変わったりしても人間同士の付き合いは出来るし変わらない。
その幸せを感じて、人を大切にしてほいいと思っている。
そのためには、このお店が魅力的で来たくなる店でありたい。
家族や彼氏彼女、友達。スタッフがそういう人たちを呼びたくなる空気でいたい。
料理もワインもセレクトが迷うくらいいいラインナップにしていきたい。
自分の愛情をいったんこの店に集中してたっぷり潤ったウェットな店を作っていく。
お店をやるって楽しいんだって自分が表現しなきゃ。
躍動感ある自分の生き方を具体化したような空間。
「20年前に独立した場所で、20年前には出来なかったお店をやる」
今自分がやりたい、楽しみたい空間を作っています。
目の前で作られる料理を楽しめる空間。カウンターからのシェフ料理姿は圧巻になるはずだ。思い出の品が飾られ、自分しかわからない所もある。
それでもいいかなと。ゆるり話しながら、もっともっと良くなっていきますからね。
写真は10周年のステージ。
20周年も頑張らなきゃ