スタッフ碧が昔の名刺を持ってきた。
碧がまだお客さん時代、まだ12坪の雑居ビル2階でお店をスタートしたばかりの頃。
まだ1店舗しかない、1年目。
「オケイさんに初めてもらった名刺」という碧。
彼女はそこから幾度となく来店してくれて、お祝い事も沢山したっけ。
いつか、相談があるって言われて。
「オケイに入りたい」って言われた。
僕は何度か断った。ハワイに留学、高級ホテルに勤めていた彼女は僕から見たらしっかりレールに乗っていたから。
それでも食い下がる碧。
入社が決まった時から今までもう16年くらいかな。長い道のりだったねー笑
一緒にソムリエになり、店長になり、お店を壊して作って。
武田が入社したころ、碧が嬉しそうに面倒を見ていたっけ。
毎日毎日、休みも遊んで。碧としてはお世話をしてあげたい気持ちの愛情だった。
でも、いつか武田が重く感じちゃってね。
誘いすぎたことを反省していたなー。そんな碧も母になり、子供も9歳かな。
時は流れているんだな。
名刺を取っていてくれたことが嬉しかった、もちろんただ出て来ただけなんだけどね。
人を幸せにすることってそんなに難しいコトじゃないんだなって感じました。
ただ、過去から今までの自分たちを振り返ることや継続していること。
毎日を繰り返し生きていき、そこに必要な人がいて、支え合った絆があって。
自分がお店を出して、20年。こんなに長く続くと思っていなかったけど、それ以上にこんなに長く働いてくれる仲間がいるなんて思いもしなかった。
名刺の裏に言葉を書いていた。
「ずっと楽しいお店でいること、それが夢です」
と書いた名刺は初期。
もっと前は「このお店を見つけてくれてありがとうございます」だったかな。
そしていつしか
「僕にとってこのお店が全て。ここの仲間を一生守ります」
になっていた。
自分が出来ないことを沢山してくれる仲間たちへ感謝しかないから。
お店が増えていくたびにこの名刺に直筆の気持ちを書くことをやめた。
スペースがなくなってしまったから。
でもまたその文化を取り戻してもいいかなって思ってきた。
10年目くらいまではスタッフそれぞれが言葉を考えて印刷をした。
悩んで皆大変だったよ。
途中で変えたいという子も多かった。
名刺一つにオリジナリティが出てよかったのかもしれない。
そうか、初心に戻る。
21周年のオケイはそういうこともいいかもしれない。
昔やっていてやらなくなったことをまた始めてみようかな。
新しいことを始めるのもいいけど、取り戻すこともまた新しいはずだ。
過去の名刺に20年後影響を受けるって面白すぎる。


