僕は15店舗を出店し、現在5店舗、来年6店舗になる。20年目っていう中でこの数字がいいか悪いかって誰も何も言えないよね
結果でしかすぎず、その中には長いプロセスがある。
今日はその2店舗目について書いておこうかなと。
そのきっかけは20周年を迎えるにあたり、この1年で写真を整理していこうと思っていた中でありました。整理だけではなく既存スタッフ、既存店については今後撮影をしっかりしていくことは決めていて現在日程調整しているところ。また既存店に対しては写真を撮影をしていくことをお願いしている。
その中で、2店舗目のお店「ビストロオケイ」を整理していて、色々考えていた。
ビストロオケイは現スタッフ石丸が初めてシェフをしたお店。2階に1店舗目があり、その真上3階でのオープンだった。
エレベータはなく、なかなかあがるのは大変かなって思いましたが、2階に既にお客様がいるという状況を考え、ゴーってなったわけ。


ローカウンター席が好きだったな。
広いカウンターの奥行を作り「至福のカウンター」という言葉を使いだしたころだ。
今でもカウンターに座って至福であることは大切だと思う。
シェフは石丸、碧がマネージャー。2009年オープン。
僕のチャレンジとしては3階であること、はじめてのフレンチ。

ワインもフレンチワインがメイン。そして当時ビストロという言葉が浸透していなかったので、いかにどんな店なのかを1階で伝えること、それが重要だった。
今現在は1階のお店ばかりやっているのですが、7年目までは1階をやったことがなかった。だからいかに1階から誘引していくかというのが大きかった。
看板デザインには悩まされた。ただし、チラシ配りはしなかった。何か負けた気がして。ネットからの誘因もまだまだって感じでした。だから日々の営業への集中はスタッフ含めすごかったように感じる。
今日来てくれた人が次来なかったら終わるっていう緊張感。3階だからこそ、そこは心の疲弊を生むほどだったような気がする。
実際に人が続かなくて困った時期もある。石丸や碧もまだまだ若く、自分が強かった。
だから時に「嫌なやつ」だった。
それでも継続していくうちにトラブルをたくさん抱えながらもお店が認知され、強くたくましくなっていった。3年経過し転機あり。
隣ビル1階に現ピッツェリアテルツォオケイをオープン。
当初は3店舗として運営していましたが、やがて2階と3階を統合し、1階ピッツェリア、2‣3階ビストロというスタイルに変化した。
その際に2階にあったガス窯を撤去、カウンター・テーブルだった2階をコの字のカウンターへ、3階キッチン撤去しウォークインワインセラーに改装した。







いくらかかったか覚えていないが、おそらく見る限り1店舗出す分はかかっているだろうな。
実はこの写真を見た時に、今「かっこいい」って思ったのが今日ブログに書きたかったこと。1店舗目もそうなんだが、何か大胆さがすごい。デザインやキモチがビシバシ伝わってくるし、何より思いっきりがいい。それはなぜだろうか。
かなり自分勝手に動いている時代だから。
自分が29歳、33歳で作ったお店たち。経験も薄く、その時やりたい!ってことをブルンブルン誰のことも考えず、やりぬく勇気があった。そんな店だ。
もちろん今がそうじゃないとも言わない。ただ、それはデザインというよりは新しい事業をしたり、振り切ったトライをするという意味では一緒だが、単純なお店のデザインとすると、違うかなと。
やっぱり「経験」というものが何かを閉ざしてしまっているような気がした。
良い悪いがわかってしまうという弱さ。ここに大きな落とし穴があるのではないか。
過去の自分を見て昨日ぞっとしてた。
このカウンター、テーブルの感じ、最高じゃんって。人の流れとかオペレーションとか、もちろん考えてなかったわけじゃないけど、やり辛さあるけど、なんか楽しかったなって。合理的じゃなかったんだけど、会話はしやすかったなとか。
ピッツァ窯の前を通らないとドリンク作れないとかね笑
改装ってことに関しても大胆すぎるだろう!ってくらいやってる。
もちろん無駄も多いから何とも言えないけど。
なんか、これが20周年を迎えるってことなのかもしれない。過去の細部を見渡せば見えていくことがあるってことか。
自分がなくしてしまったものもわかるし、その中に今大切にしなきゃいけない事もある。気持ちの部分もそうだけど、自分が作ったお店を「かっこいい」と思えることはあまりない。今だから思えることかもしれない。
新しくピッツェリアテルツォオケイ隣1階に出来るお店のアイディア巡りをしているところ。
「慎重に、大胆に」
父からの教えがまたここで僕の心を覆いつくす。
今がその時なんだなって。
改装したり人が変わったりしてお店の表情は変わる。
でももし僕が元に戻したい!って思ったら「戻せばいい」
バカみたいな話だけど、最初のお店に戻したければ、また改装して戻す。
そんなバカげたことがあったとしたら、それはそれで僕らしい。
結局、やりたいって思ったらやるし、そのやりたいが、多少の強引さがあってもいい、いやなくてはいけないってことかもしれない
